「負け犬の遠吠え」を読んでみた。
2004年12月31日 読書
え〜、以前、三十歳・バリキャリ・未婚・子無しの友人に
「面白かったよ〜」
と借りて、そのままほっぽらかしていた(←オイ!)「負け犬の遠吠え」を、年越し前に片付けようと思って読んでみました。
いや〜、年越し前に読んでよかった!
こんなモン、年明け早々に読んでたら、めちゃくちゃ運気が下がるっちゅーの。
まあね、身につまされる話題・「わ、わかる〜!」と思う話題も満載でしたが、100%頷ける内容ではなかったわけで。
なにより、TRを読んだ後に読んで良かった!ということですよ。
これが、TRを知らなかった、元ダンナ候補との破局直後に読んでたとしたら、めちゃくちゃ影響されてたかもしれません。
「そうよね〜、まともな独身男なんて、もう残ってないよね〜」
と、さっくり首でも吊ってたかも〜☆
そういう事態にならないで済んだのも、TRの神様(←だから誰?)のお導きかもね☆
ま、こういう価値観の方もいらっしゃるということで。
ただ、読み進むにつれ、「シニカルになりすぎない」というTRを強烈に思い出しました。
確かにね、こういう姿勢の女性が周りにいたら、男ならずとも、引くわな。
運が下がる気がするもん。
だって、恋人ができてウキウキしてる友人に
「そんな年まで残ってる男なんて、どこかオカシイに違いない!」
って水差すんですよ〜。アリエナ〜イ!
来年早々に三十路坂に一歩を踏み入れる私ですが、理想のダンナ候補に巡り合うべく、「負け犬だ…」と落ち込まず、「負け犬から脱出するのよ〜!」と気張ることなく、来年も鋭意活動し続けよっと、と誓いを新たにした私で〜す。
というわけで、次の日記に続く。
ISBN:4062121182 単行本 酒井 順子 講談社 2003/10 ¥1,470
「面白かったよ〜」
と借りて、そのままほっぽらかしていた(←オイ!)「負け犬の遠吠え」を、年越し前に片付けようと思って読んでみました。
いや〜、年越し前に読んでよかった!
こんなモン、年明け早々に読んでたら、めちゃくちゃ運気が下がるっちゅーの。
まあね、身につまされる話題・「わ、わかる〜!」と思う話題も満載でしたが、100%頷ける内容ではなかったわけで。
なにより、TRを読んだ後に読んで良かった!ということですよ。
これが、TRを知らなかった、元ダンナ候補との破局直後に読んでたとしたら、めちゃくちゃ影響されてたかもしれません。
「そうよね〜、まともな独身男なんて、もう残ってないよね〜」
と、さっくり首でも吊ってたかも〜☆
そういう事態にならないで済んだのも、TRの神様(←だから誰?)のお導きかもね☆
ま、こういう価値観の方もいらっしゃるということで。
ただ、読み進むにつれ、「シニカルになりすぎない」というTRを強烈に思い出しました。
確かにね、こういう姿勢の女性が周りにいたら、男ならずとも、引くわな。
運が下がる気がするもん。
だって、恋人ができてウキウキしてる友人に
「そんな年まで残ってる男なんて、どこかオカシイに違いない!」
って水差すんですよ〜。アリエナ〜イ!
来年早々に三十路坂に一歩を踏み入れる私ですが、理想のダンナ候補に巡り合うべく、「負け犬だ…」と落ち込まず、「負け犬から脱出するのよ〜!」と気張ることなく、来年も鋭意活動し続けよっと、と誓いを新たにした私で〜す。
というわけで、次の日記に続く。
ISBN:4062121182 単行本 酒井 順子 講談社 2003/10 ¥1,470
「佐伯チズメソッド 肌の愛し方育て方 ―今までだれも言わなかったスキンケアの新提案50」
という本を書店で見かけ、ものすごく真剣に立ち読みしてみました。(←買・え・YO!)
やっぱさ〜、素材って大事じゃないですか〜。
顔の造作は生れ持ったものだから、限界がありますけど、髪質・肌質はある程度自分の責任だもんね!
ちゅーことで、社会人になってから(もう何年も経つわけですが)、吹き出物が治っちゃ出来、直っちゃ出来してるうえに、最近お肌の砂漠化現象が気になり始めた私にピッタリな本じゃな〜い!と、食いついたわけです。
佐伯女史は仰いました。
「現代の女性は顔を洗いすぎ!
夜はクレンジングのみ、朝は週一でスクラブを使えば、日々の洗顔はお湯で洗うくらいで十分!
そして、基礎化粧品はケチらず適量を使え!」
と。
うわ〜!超ごもっとも!
美容液なんか買っちゃった日には、ものすご〜く少量を大事に使う私(貧乏性・・・)としては、めちゃくちゃ耳が痛くてね〜。
そんなワケで、早速、その日の夜から「佐伯メソッド」とやらを実行しました。
もともと夜の洗顔はクレンジングのみだったんですけどね。
で、洗顔後に
1.化粧水をコットンになじませて顔全体に広げてパック(3分置く)
2.美容液を付ける(3分置く)
3.クリームを塗る(「私はキレイ」と念じながらマッサージ←笑)
という、「3分置くプログラム」を実践。
ちゃんと「私はキレイ」って念じましたよ〜、悪いか!
そして、朝は、やや抵抗があったんですが、お湯のみの洗顔を実践。
そしたらね・・・
3日で頬に、す〜〜〜ごく大きなニキビが出来ちゃいましたよ!
やっぱり、肌質によって向き不向きがあるんですね・・・。
とはいえ、「3分置く」のはよさそうなので、続けてみようと思います。
そして、佐伯女史の推奨する、
「ニキビができたら、たっぷり水分を取って、半身浴で汗をかけ」
というメソッドも実践してみよっと。
・・・あれ?私はこの本をオススメしたいのか、そうでないのか、一体どっちなんだ・・・?
ま、自らの「美」に対する意識を高めるという点で、いい刺激になりました〜。
以上!(逃げ)
ISBN:4062568810 文庫 佐伯 チズ 講談社 2004/09/22 ¥580
という本を書店で見かけ、ものすごく真剣に立ち読みしてみました。(←買・え・YO!)
やっぱさ〜、素材って大事じゃないですか〜。
顔の造作は生れ持ったものだから、限界がありますけど、髪質・肌質はある程度自分の責任だもんね!
ちゅーことで、社会人になってから(もう何年も経つわけですが)、吹き出物が治っちゃ出来、直っちゃ出来してるうえに、最近お肌の砂漠化現象が気になり始めた私にピッタリな本じゃな〜い!と、食いついたわけです。
佐伯女史は仰いました。
「現代の女性は顔を洗いすぎ!
夜はクレンジングのみ、朝は週一でスクラブを使えば、日々の洗顔はお湯で洗うくらいで十分!
そして、基礎化粧品はケチらず適量を使え!」
と。
うわ〜!超ごもっとも!
美容液なんか買っちゃった日には、ものすご〜く少量を大事に使う私(貧乏性・・・)としては、めちゃくちゃ耳が痛くてね〜。
そんなワケで、早速、その日の夜から「佐伯メソッド」とやらを実行しました。
もともと夜の洗顔はクレンジングのみだったんですけどね。
で、洗顔後に
1.化粧水をコットンになじませて顔全体に広げてパック(3分置く)
2.美容液を付ける(3分置く)
3.クリームを塗る(「私はキレイ」と念じながらマッサージ←笑)
という、「3分置くプログラム」を実践。
ちゃんと「私はキレイ」って念じましたよ〜、悪いか!
そして、朝は、やや抵抗があったんですが、お湯のみの洗顔を実践。
そしたらね・・・
3日で頬に、す〜〜〜ごく大きなニキビが出来ちゃいましたよ!
やっぱり、肌質によって向き不向きがあるんですね・・・。
とはいえ、「3分置く」のはよさそうなので、続けてみようと思います。
そして、佐伯女史の推奨する、
「ニキビができたら、たっぷり水分を取って、半身浴で汗をかけ」
というメソッドも実践してみよっと。
・・・あれ?私はこの本をオススメしたいのか、そうでないのか、一体どっちなんだ・・・?
ま、自らの「美」に対する意識を高めるという点で、いい刺激になりました〜。
以上!(逃げ)
ISBN:4062568810 文庫 佐伯 チズ 講談社 2004/09/22 ¥580
「死に花」ちょいと気分を変えてブックレビューをば。
2004年6月8日 読書
ISBN:4041518156 文庫 太田 蘭三 角川書店 2004/04 ¥620
や〜ってもた〜〜〜!!
久々に思いましたよ!「か・ね・か・え・せ!」
以前の職業柄(葬儀社)、「死」とか「葬」とかいう文字につい反応してしまう悲しい性が災いして、なんの因果か、こんな本を手に取ってしまいました。
こんな橋にも棒にも掛からない本を!!
舞台は有料老人ホーム。
冒頭では、70代のダンディなジイさんが、自分の棺と骨壷を購入して、仲良しジイさんに見せるところか始まるわけですよ、
そこで、棺が「五面彫刻の檜の無垢」(←超絶高級品)とか、「骨壷が九谷焼」とか、それっぽいことが書いてあったんで、ついつい、老人ホームに次々死んでいく老人たちの死に様を描いた小説なのかと思いきや・・・。
その用意周到なジイさんが急な発作で死んで、本人の意向で無宗教で老人ホームでお別れ会をするまではよかったんですよ。
祭壇も白木の7尺5段とか、業界の人なら耳慣れた言葉のオンパレードで、ちょっと面白かったんです。
しかし、いざ、斎場で火葬してみると、なんと、二人分の遺骨があがってきちゃった!
という、妙な展開に。
結局、もう一人の遺骨は、ホームで「いい仲」になったバアさんだったことが判明。
「一緒に心中してくれるなんて、男冥利に尽きるね〜」
だってさ。
バッカじゃね?
もう、絶っっっ対にありえない話だし。
刑事に事情聴取された菊島というジイさん(主人公)が、「そういえば、ホームから運び出すとき、意外に重いな、と思いました」
とか言ってるけど、ありえないし!
大体、檜の無垢の棺なんて、何も入ってなくたってめちゃくちゃ重いんですよ!
それに、大体70キロくらいのジイさんが入って、さらに10キロのドライアイスをあててるわけだから、ジイさん6人くらいじゃ、とてもじゃないけど、持てない重さになってるのに、さらにそこに、いくら小柄だからって言っても40キロくらいあるバアさんが入ったら、持ち上げるどころか、引きずるのだって大変だって。
その前に、いくら深めに作ってあったって、人が二人も入ったら、柩の蓋も閉まらないしね。
もう、この時点でかなり
「しまった〜!!ヘンなモン掴まされた」
と思ったんですが、なぜか読み進めてしまった私に次々と試練が襲い掛かりました。
ダンディなジイさんが死んでからは、主人公の菊島を中心に話が回っていくんですが、この菊島の仲間のジイさんたちとの会話の6割くらいがほぼ下ネタ。ジジイの下ネタ。辛いわ〜。
色ボケもいいところですよ。なんか、年寄りの枯れゆく性への執着を感じて、キッツイわ〜。
ていうか、くだらないこと言ってないで早く死んでしまえ、と思いながら読む私(読まなきゃいいのに)。
しかも、誰に対するサービスなんだか知らないですけど、菊島(七十代)と恋人?のバアさん(六十代後半)の濡れ場が何回か登場して、ホントにカンベン。
別にね、「老いらくの恋」が悪いっつってんじゃないんですよ。勝手にやっていただいて構わないんですけど、こと細かに読みたくないっちゅーの。
あ〜、ホント、拷問(なら読まなきゃいいのに)。
しかも、話はますますおかしな方向へ行っちゃいまして、老人ホームの仲良しジジイグループが、地下から穴を掘って、銀行の金庫から泥棒をした挙句、犯行に使った道具を隠す為に向かったジジイのうちの一人の別荘地で、武田信玄の埋蔵金を掘ろうとして、温泉を掘り当てて、温泉付老人ホームを建てちゃいました☆
あ、ちなみに、銀行強盗の犯人は迷宮入りの方向で〜す☆
みたいな。
ボエ〜(脱魂)。
ホント、そんな老人版「ぼくらの七日間戦争」みたいな、どーでもいい話を延々と読んじゃった私、どうよ?
でも、終わりまであと10Pくらいのところで、やっと気付いたんですよね〜。
「なんで、こんなヤな思いしてまでこんな本を読んでるんだろう・・・」
って。
結局、ジジイ(太田蘭三)による、ジジイを元気付けるための小説だったんでしょうね。
読者層から思い切り外れてる私がどうのこうの言える立場にないか☆
は〜、チクショー、金返せ!
や〜ってもた〜〜〜!!
久々に思いましたよ!「か・ね・か・え・せ!」
以前の職業柄(葬儀社)、「死」とか「葬」とかいう文字につい反応してしまう悲しい性が災いして、なんの因果か、こんな本を手に取ってしまいました。
こんな橋にも棒にも掛からない本を!!
舞台は有料老人ホーム。
冒頭では、70代のダンディなジイさんが、自分の棺と骨壷を購入して、仲良しジイさんに見せるところか始まるわけですよ、
そこで、棺が「五面彫刻の檜の無垢」(←超絶高級品)とか、「骨壷が九谷焼」とか、それっぽいことが書いてあったんで、ついつい、老人ホームに次々死んでいく老人たちの死に様を描いた小説なのかと思いきや・・・。
その用意周到なジイさんが急な発作で死んで、本人の意向で無宗教で老人ホームでお別れ会をするまではよかったんですよ。
祭壇も白木の7尺5段とか、業界の人なら耳慣れた言葉のオンパレードで、ちょっと面白かったんです。
しかし、いざ、斎場で火葬してみると、なんと、二人分の遺骨があがってきちゃった!
という、妙な展開に。
結局、もう一人の遺骨は、ホームで「いい仲」になったバアさんだったことが判明。
「一緒に心中してくれるなんて、男冥利に尽きるね〜」
だってさ。
バッカじゃね?
もう、絶っっっ対にありえない話だし。
刑事に事情聴取された菊島というジイさん(主人公)が、「そういえば、ホームから運び出すとき、意外に重いな、と思いました」
とか言ってるけど、ありえないし!
大体、檜の無垢の棺なんて、何も入ってなくたってめちゃくちゃ重いんですよ!
それに、大体70キロくらいのジイさんが入って、さらに10キロのドライアイスをあててるわけだから、ジイさん6人くらいじゃ、とてもじゃないけど、持てない重さになってるのに、さらにそこに、いくら小柄だからって言っても40キロくらいあるバアさんが入ったら、持ち上げるどころか、引きずるのだって大変だって。
その前に、いくら深めに作ってあったって、人が二人も入ったら、柩の蓋も閉まらないしね。
もう、この時点でかなり
「しまった〜!!ヘンなモン掴まされた」
と思ったんですが、なぜか読み進めてしまった私に次々と試練が襲い掛かりました。
ダンディなジイさんが死んでからは、主人公の菊島を中心に話が回っていくんですが、この菊島の仲間のジイさんたちとの会話の6割くらいがほぼ下ネタ。ジジイの下ネタ。辛いわ〜。
色ボケもいいところですよ。なんか、年寄りの枯れゆく性への執着を感じて、キッツイわ〜。
ていうか、くだらないこと言ってないで早く死んでしまえ、と思いながら読む私(読まなきゃいいのに)。
しかも、誰に対するサービスなんだか知らないですけど、菊島(七十代)と恋人?のバアさん(六十代後半)の濡れ場が何回か登場して、ホントにカンベン。
別にね、「老いらくの恋」が悪いっつってんじゃないんですよ。勝手にやっていただいて構わないんですけど、こと細かに読みたくないっちゅーの。
あ〜、ホント、拷問(なら読まなきゃいいのに)。
しかも、話はますますおかしな方向へ行っちゃいまして、老人ホームの仲良しジジイグループが、地下から穴を掘って、銀行の金庫から泥棒をした挙句、犯行に使った道具を隠す為に向かったジジイのうちの一人の別荘地で、武田信玄の埋蔵金を掘ろうとして、温泉を掘り当てて、温泉付老人ホームを建てちゃいました☆
あ、ちなみに、銀行強盗の犯人は迷宮入りの方向で〜す☆
みたいな。
ボエ〜(脱魂)。
ホント、そんな老人版「ぼくらの七日間戦争」みたいな、どーでもいい話を延々と読んじゃった私、どうよ?
でも、終わりまであと10Pくらいのところで、やっと気付いたんですよね〜。
「なんで、こんなヤな思いしてまでこんな本を読んでるんだろう・・・」
って。
結局、ジジイ(太田蘭三)による、ジジイを元気付けるための小説だったんでしょうね。
読者層から思い切り外れてる私がどうのこうの言える立場にないか☆
は〜、チクショー、金返せ!
口直しに「きのね」を読みました
2004年4月15日 読書
人間、口に合わないものを食べると、口直しってしたくなりますよね〜。
先日読んだ「天子の卵」は、パッとしない女はパッとしないなりになんとか生きていこうじゃないの、と思っている私の気力を奪う危険極まりないストーリーだったため、早急に口直しすべく、宮尾登美子の「きのね」を読みました。
「きのね」は、前にも読んでるんですが、以前読んだ時は、とにかく話の展開が気になって気になって、些事は気にせず読み進んだため、「超泣いた!」ということは覚えているものの、話の内容はサ〜ッパリ覚えていなかったため、割と新鮮なキモチで読めましたわ〜って、どうなの?その読書姿勢。
ま、それはさておき、「きのね」ですよ。
ちなみに、私が持ってるのは朝日文庫の「きのね」でして、このレビューでは写真がないので、新潮文庫版を選びましたが、私的には、朝日文庫の中島千波画の表紙の方が断然好きです。
話は第二次世界大戦前の歌舞伎役者の家に住み込み女中として入る主人公・光乃の一生なんですが、これが泣かす〜!!
まずね、主人公の光乃。
パッとしない女です。でも、よく働きます。
無駄口は叩かず、黙々と。
そして、光乃がいつの間にか憧れる、主家の長男・雪雄ぼっちゃま。
歌舞伎役者の家の長男。当然本人も歌舞伎役者。
水も滴るイイオトコ。でも、病弱。
早い話が、光乃が雪雄とくっつくまでの、パッとしない女のシンデレラストーリーです。
ね?「天子の卵」の口直しにピッタリでしょ?(笑)
でも、シンデレラストーリーとはいえ、そこは宮尾登美子ですから、報われるまでの道のりが半端じゃない。
もうね〜、雪雄ぼっちゃまが、結婚前に元女中を外に囲って子供作ったりするまではまだいいんですが、正式な嫁を迎えて独立する時に、光乃がぼっちゃま付きの女中として、新居に住み込むくだりがなんともいえないわけですよ。
1階の女中部屋で寝ていても、2階の新婚夫婦の様子が気になって、寝るに寝られない。
しかも、2階に掃除に上がると、いつも目に入ってくる、立派な嫁入り道具。
嫁は料亭の一人娘なんで、箪笥には衣装がい〜っぱい入ってて、鏡台なんかもツヤツヤ輝いてるわけですよ。
ああ、同じ女に生まれながら、なんでこんなに違うんだ、と。
自分はどんなに頑張ったって、この人の暮らしの十分の一にも追いつかないね、と半ば諦め、半ば羨望の気持ちを抱く相手は、よりによって、恋い慕う雪雄ぼっちゃまの正式な嫁。
ツライね〜!何がツライって、これほどツライことはないんじゃないですか?
アタシャ、わかるよ〜!!
いや、別に、好きな人の他人との夜の生活を見させられたわけじゃないですけど、気持ちはよ〜〜〜〜〜〜〜〜くわかる。わかる〜〜〜〜!!(←もういいよ)
ダテに、大学4年間、片思いで棒に振ってないよ!
ダテに、何度もデートした人の結婚式に呼ばれて他人行儀な挨拶されてないよ!
ま、そんなパッとしないメモリーはどーでもいいか。
今でこそ、長すぎる片思い=時間の無駄、ということが身に沁みてわかった私ですが、「きのね」の時代は、身分違いの恋なんて、一生心に押し込めてないといけない時代。
ま、「きのね」の場合は、雪雄ぼっちゃまは嫁と折り合いが悪く、結局、離縁しちゃうんで、よかったよかった、って感じなんですが、夜な夜な癇癪を起こすぼっちゃまに怯える嫁を、自分が焚き付けて家出させた挙句、離婚する運びになってしまった
ために、光乃は罪の意識に苛まれちゃったりして・・・。
ここで「バンザ〜イ!嫁のポジションはアタシのもんだぜ!」ってならないのが、美しくない女の悲しい習性なんですよね〜。
これまた、わかる〜!!
しか〜し!第二次大戦が始まり、ぼっちゃまと光乃は八王子に疎開することに。
ここで、とうとう光乃にぼっちゃまの手が付くんですが、大して美人でもない光乃は、一時の気まぐれなんだろう、なんて思いつつ終戦を迎えるわけです。
しかし、終戦後の大貧困時代に、仕事はない上に、光乃の給料を全然払えてないことを気にしたぼっちゃまが、光乃に突然暇を出しちゃうんですよ。
そんな、ご無体な。
結局、行き場のない光乃は散り散りになった兄弟の一人を訪ねて、闇米を貰って戻ってきてしまうんですが、光乃が帰ってくるまで、ずーっと放心して居間に座り込んでいたぼっちゃまは、光乃を見て、涙を流して詫びる訳ですよ。
な、泣かす〜〜〜〜!!
あれ?盛り上がってるの私だけ?
ここで、ぼっちゃまも、光乃の滅私奉公のかけがえのなさを、身に沁みてわかったってことでね。
「よく働く女中、女以下」という意識から、
「いて当然、むしろ、いてくれなきゃ困る」存在に格上げになるわけですよ。
そして、密かに妊娠→一人で出産、なんてことをしながら、2人の子をこしらえて、ぼっちゃまの役者としての人気も出てきた頃に、晴れて結婚。
しかし、いや〜、よかった!めでたしめでたし。
で終わらないのが、宮尾登美子の醍醐味ですよ。
役者として一番油が乗ってきた50代に差し掛かるところで、ぼっちゃまが病魔に倒れ、死んじゃうなんて〜〜〜!!
やっと、夫婦関係が世の中に認められて、これからって時に〜〜〜!!
しかも、死後にぼっちゃまが囲ってた芸者が「形見が欲しい」と人づてに頼んできたりして、まさに、心の地獄。
でも、光乃は黙ってぼっちゃまの着物を分けてあげる。
くぁ〜〜〜!!日本の女の鏡だね!!
アタシにはできないけどね!!
そして、それまで病気一つせず(嘘。一回入院したわ)、耐えに耐えた光乃が、とうとう、病魔に冒され、帰らぬ人に。
遠のく光乃意識の中で、歌舞伎座の「析の音」が響き渡り、舞台の幕が開く。
というところで、終了。
ね?泣かすでしょ?
やっぱり盛り上がってるのって私だけ?
いや〜、面白いですよ。宮尾登美子。
長いし、中身が濃いので、読むの疲れるんですけどね。
山登りも、高い山ほど登り終えた後の充実感が大きいって言うじゃないですか。
ま、山登んないんでわかんないですけど。
この「きのね」も、そんな感じです。
先日読んだ「天子の卵」は、パッとしない女はパッとしないなりになんとか生きていこうじゃないの、と思っている私の気力を奪う危険極まりないストーリーだったため、早急に口直しすべく、宮尾登美子の「きのね」を読みました。
「きのね」は、前にも読んでるんですが、以前読んだ時は、とにかく話の展開が気になって気になって、些事は気にせず読み進んだため、「超泣いた!」ということは覚えているものの、話の内容はサ〜ッパリ覚えていなかったため、割と新鮮なキモチで読めましたわ〜って、どうなの?その読書姿勢。
ま、それはさておき、「きのね」ですよ。
ちなみに、私が持ってるのは朝日文庫の「きのね」でして、このレビューでは写真がないので、新潮文庫版を選びましたが、私的には、朝日文庫の中島千波画の表紙の方が断然好きです。
話は第二次世界大戦前の歌舞伎役者の家に住み込み女中として入る主人公・光乃の一生なんですが、これが泣かす〜!!
まずね、主人公の光乃。
パッとしない女です。でも、よく働きます。
無駄口は叩かず、黙々と。
そして、光乃がいつの間にか憧れる、主家の長男・雪雄ぼっちゃま。
歌舞伎役者の家の長男。当然本人も歌舞伎役者。
水も滴るイイオトコ。でも、病弱。
早い話が、光乃が雪雄とくっつくまでの、パッとしない女のシンデレラストーリーです。
ね?「天子の卵」の口直しにピッタリでしょ?(笑)
でも、シンデレラストーリーとはいえ、そこは宮尾登美子ですから、報われるまでの道のりが半端じゃない。
もうね〜、雪雄ぼっちゃまが、結婚前に元女中を外に囲って子供作ったりするまではまだいいんですが、正式な嫁を迎えて独立する時に、光乃がぼっちゃま付きの女中として、新居に住み込むくだりがなんともいえないわけですよ。
1階の女中部屋で寝ていても、2階の新婚夫婦の様子が気になって、寝るに寝られない。
しかも、2階に掃除に上がると、いつも目に入ってくる、立派な嫁入り道具。
嫁は料亭の一人娘なんで、箪笥には衣装がい〜っぱい入ってて、鏡台なんかもツヤツヤ輝いてるわけですよ。
ああ、同じ女に生まれながら、なんでこんなに違うんだ、と。
自分はどんなに頑張ったって、この人の暮らしの十分の一にも追いつかないね、と半ば諦め、半ば羨望の気持ちを抱く相手は、よりによって、恋い慕う雪雄ぼっちゃまの正式な嫁。
ツライね〜!何がツライって、これほどツライことはないんじゃないですか?
アタシャ、わかるよ〜!!
いや、別に、好きな人の他人との夜の生活を見させられたわけじゃないですけど、気持ちはよ〜〜〜〜〜〜〜〜くわかる。わかる〜〜〜〜!!(←もういいよ)
ダテに、大学4年間、片思いで棒に振ってないよ!
ダテに、何度もデートした人の結婚式に呼ばれて他人行儀な挨拶されてないよ!
ま、そんなパッとしないメモリーはどーでもいいか。
今でこそ、長すぎる片思い=時間の無駄、ということが身に沁みてわかった私ですが、「きのね」の時代は、身分違いの恋なんて、一生心に押し込めてないといけない時代。
ま、「きのね」の場合は、雪雄ぼっちゃまは嫁と折り合いが悪く、結局、離縁しちゃうんで、よかったよかった、って感じなんですが、夜な夜な癇癪を起こすぼっちゃまに怯える嫁を、自分が焚き付けて家出させた挙句、離婚する運びになってしまった
ために、光乃は罪の意識に苛まれちゃったりして・・・。
ここで「バンザ〜イ!嫁のポジションはアタシのもんだぜ!」ってならないのが、美しくない女の悲しい習性なんですよね〜。
これまた、わかる〜!!
しか〜し!第二次大戦が始まり、ぼっちゃまと光乃は八王子に疎開することに。
ここで、とうとう光乃にぼっちゃまの手が付くんですが、大して美人でもない光乃は、一時の気まぐれなんだろう、なんて思いつつ終戦を迎えるわけです。
しかし、終戦後の大貧困時代に、仕事はない上に、光乃の給料を全然払えてないことを気にしたぼっちゃまが、光乃に突然暇を出しちゃうんですよ。
そんな、ご無体な。
結局、行き場のない光乃は散り散りになった兄弟の一人を訪ねて、闇米を貰って戻ってきてしまうんですが、光乃が帰ってくるまで、ずーっと放心して居間に座り込んでいたぼっちゃまは、光乃を見て、涙を流して詫びる訳ですよ。
な、泣かす〜〜〜〜!!
あれ?盛り上がってるの私だけ?
ここで、ぼっちゃまも、光乃の滅私奉公のかけがえのなさを、身に沁みてわかったってことでね。
「よく働く女中、女以下」という意識から、
「いて当然、むしろ、いてくれなきゃ困る」存在に格上げになるわけですよ。
そして、密かに妊娠→一人で出産、なんてことをしながら、2人の子をこしらえて、ぼっちゃまの役者としての人気も出てきた頃に、晴れて結婚。
しかし、いや〜、よかった!めでたしめでたし。
で終わらないのが、宮尾登美子の醍醐味ですよ。
役者として一番油が乗ってきた50代に差し掛かるところで、ぼっちゃまが病魔に倒れ、死んじゃうなんて〜〜〜!!
やっと、夫婦関係が世の中に認められて、これからって時に〜〜〜!!
しかも、死後にぼっちゃまが囲ってた芸者が「形見が欲しい」と人づてに頼んできたりして、まさに、心の地獄。
でも、光乃は黙ってぼっちゃまの着物を分けてあげる。
くぁ〜〜〜!!日本の女の鏡だね!!
アタシにはできないけどね!!
そして、それまで病気一つせず(嘘。一回入院したわ)、耐えに耐えた光乃が、とうとう、病魔に冒され、帰らぬ人に。
遠のく光乃意識の中で、歌舞伎座の「析の音」が響き渡り、舞台の幕が開く。
というところで、終了。
ね?泣かすでしょ?
やっぱり盛り上がってるのって私だけ?
いや〜、面白いですよ。宮尾登美子。
長いし、中身が濃いので、読むの疲れるんですけどね。
山登りも、高い山ほど登り終えた後の充実感が大きいって言うじゃないですか。
ま、山登んないんでわかんないですけど。
この「きのね」も、そんな感じです。
天使の卵(エンジェルス・エッグ)
2004年3月8日 読書
村山由佳の「天使の卵」を、とある方に薦められて読むことになりました。
最初に言っときますが、私、恋愛小説って好きじゃないんですよね〜。
なんででしょうね〜?自分でも分かりませんが、たぶん、恋愛小説を読んでキュンと来る(笑)ような恋愛からは無縁な人生を送っているからですかね〜。
全然ピンと来ないんですわ。
正直、他人の惚れた腫れたなんて、どーでもいーのです。
特に苦手なのが純愛もの。
なんですか?純愛って?
だって、結局、最終目標はヤルことでしょ?
全てはヤルためになんだかんだと大層な理由をつけて自分の性衝動を正当化してるんでしょ?
だったら、最初から最後まで潔くガンガンやりまくってるくらいのものの方が小気味いいってもんですよ。
ま、あんまり「やる」「やらない」に拘ると、なけなしの品性が疑われそうな気がするので、このくらいにしときます。
さて、本題。
粗筋は、主人公こと「ボク」が
美大も普通の大学も落ちる
↓
電車の中で年上の美女に出会う
↓
偶然、再会(ありえねー)恋に落ちる(笑)
↓
色々あったけど、最終的に一つに結ばれる(爆笑)
↓
夢にまで見た美大に合格!ヤッタネ!
↓
彼女が死ぬ
↓
さようなら、ボクの美しいメモリー
以上。
って、アホか〜!!
そんな1回も洗わないで3学期まで履き潰した上履きなみに使い古されたストーリー、少女漫画やコバルト文庫でアホほど読んでるっちゅー話ですよ。
活字だからごまかされるかもしれないけど、これをドラマ化したら、なんぼほど数字が取れるか?取れないだろ!っていうくらい、なんてことないストーリー。
しかも、寒いことに、電車の中で初めて「彼女」と遭遇したときに「彼女」が持ってたのが、なんちゃらかんちゃらとか言う、横文字小説。
ふ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん。
寒い。今だに舶来文化崇拝主義ですか。
そうそう。
いちいち表現が寒いのも特徴的だな〜、と思いました。
「彼女のそばかすがカシオペア座とおなじ並びだった」とか、
「素敵な眉の顰め方、知ってるのね」とか、
「私って宿命的に絵描きに弱いのかしら」とか、挙げればキリがない。
そんな極寒表現を目にするたびに、思わず、付箋貼っちゃおうかと思ったんですけど、そんな労力を費やすことが勿体ないのでやめました。
最終的に納得がいかないのは、結局、なんだかんだ言って、散々若い男とやりたい放題おやりになった彼女がおっ死んじまうってことですよ。
死にオチかよ〜〜〜〜!!信じられないくらいベタベタ。
そんなのありか?
いや、別に私としては、「彼女」が死のうが生きようが、全然構わないんですけどね。でも、
死→永遠の美しい思い出
ってことは、結局、女はキレイじゃなきゃ価値がないってことでしょ?
古っ!!ていうか、モノカキとして、ラクしすぎ!!
死にオチ、夢オチなら、そこら辺の中学生だって書けるんだよね〜。ま、それを男じゃなくて女である村山由佳が恥ずかしげもなく書いてるっていうところが、斬新といっちゃ斬新?
今現在、女の平均年齢って一体いくつだと思ってるんでしょうか?どんなに美人だって、ナイスな肉体の持ち主だって、老ければそれなりに汚くなるわけですよ。
それでも、年の差を超えて「ボク」は「彼女」を愛し抜けることが可能なのか?
それとも、やっぱり「彼女」がそれなりの年になったら「ボク」はどこぞの若い女と583回目くらいの「運命的な出会い」を果たして「彼女」を捨てるのか。
年の差カップルを題材にしたら、そこまで書かなくちゃ卑怯なんじゃないのかな〜。
ちなみに、死体はドライアイスを当てる前までは触っても「手を引っ込めたくなるほど冷たい」なんてことはございません。
病院にいて、お迎えが来る前の時点だったら、生きてる人ほどではないけど、それなりに体温は残ってるし、指も動きはしないけど、よっぽど筋肉質でない限り、硬直までは行かないものなんですよね〜。
ま、そんな生きていく上で大して必要ない知識が入ってるだけに、余計に読んでて気持ちが冷めちゃったんだろうね〜、私。
損な性分ですね〜。
そして、何より納得がいかなかったのが、「ボク」が「彼女」と出会う前に付き合ってた「彼女」の妹と「ボク」の間には、肉体関係がなかったってこと。
え〜〜〜〜!?今時なんもやってないの!?
じゃあ、妹だって彼女面できないでしょう。
だって、「1回やったからって彼女面するな」っていう台詞がまかり通る時代ですよ?
「ボク」だって、堂々と「やってもないのに彼女面するな」ってビシっと言っちゃったって、誰も怒らないって。
その妹だって、手も出してこない上に自分の姉と浮気した、どーしようもないモラトリアム男なんかさっさと見限って、合コンサークルで青春を謳歌しろよ〜!!
そもそも、「彼女」の名前が「春妃」で、妹の名前が「夏姫」って言う時点で(それにしても、センスない名前だよ・・・)、何らかの血縁関係を連想しないもんかね〜?
とんだボンクラですね。「ボク」ちゃんは。
そんなわけで、感想を一言で言えば、
「女はキレイじゃないと恋も始まらないんだな」
以上!
はは〜ん、道理で私のこれまでの人生、「運命的な出会い」(笑)も、「恋焦がれ」られることもなかったわけだ。
納得。
しかもね、その「彼女」つーのが、「華奢」で、「守ってやりたい」系で、触れた手は冷たいので「暖めてやりたい」系なんですわ。
ひ〜!いずれも私にとってはNGワード!
ガッチリ系の私は男の庇護欲をそそる度0%な上に、めちゃくちゃ血流が良いので、手先も冷たくならないんですよね〜。
よく、「手の冷たい人間は心が温かい」って言いますけど、
その真逆。
あはは〜(乾いた笑い)
というわけで、今までグダグダ言っていたのも、早い話が美しくない女の僻みだということが分かりましたね!
見目が麗しくないと、心まで美しくなくなるんですよ。だから、どんな女の子も「カワイイね〜」といって育ててあげないといけません。
できることなら、私もこんな毒にも薬にもならない小説で涙を流せるくらい純朴に育ちたかったよ。
あれ?何の話だっけ?
そうそう。「天使の卵」。
以上、美しくないなんちゃってOLがいくら難癖つけたところで、このスバラシイ小説が「すばる文学大賞」を取ったという事実は揺るがないんですけどね。
そもそも、私がツッコんだ部分、全て計算づくで「ププ〜!ベタベタ〜!」とか、ほくそえみながら書いてたとしたら、たいした女です。村山由佳は。
な〜んて感想を、この本を「読め」と言った張本人に言うわけにも行かず、感想を聞かれたら、一体なんとお答えしたらいいものか、かなり悩んでおります。
憎い女だよ。村山由佳。
最初に言っときますが、私、恋愛小説って好きじゃないんですよね〜。
なんででしょうね〜?自分でも分かりませんが、たぶん、恋愛小説を読んでキュンと来る(笑)ような恋愛からは無縁な人生を送っているからですかね〜。
全然ピンと来ないんですわ。
正直、他人の惚れた腫れたなんて、どーでもいーのです。
特に苦手なのが純愛もの。
なんですか?純愛って?
だって、結局、最終目標はヤルことでしょ?
全てはヤルためになんだかんだと大層な理由をつけて自分の性衝動を正当化してるんでしょ?
だったら、最初から最後まで潔くガンガンやりまくってるくらいのものの方が小気味いいってもんですよ。
ま、あんまり「やる」「やらない」に拘ると、なけなしの品性が疑われそうな気がするので、このくらいにしときます。
さて、本題。
粗筋は、主人公こと「ボク」が
美大も普通の大学も落ちる
↓
電車の中で年上の美女に出会う
↓
偶然、再会(ありえねー)恋に落ちる(笑)
↓
色々あったけど、最終的に一つに結ばれる(爆笑)
↓
夢にまで見た美大に合格!ヤッタネ!
↓
彼女が死ぬ
↓
さようなら、ボクの美しいメモリー
以上。
って、アホか〜!!
そんな1回も洗わないで3学期まで履き潰した上履きなみに使い古されたストーリー、少女漫画やコバルト文庫でアホほど読んでるっちゅー話ですよ。
活字だからごまかされるかもしれないけど、これをドラマ化したら、なんぼほど数字が取れるか?取れないだろ!っていうくらい、なんてことないストーリー。
しかも、寒いことに、電車の中で初めて「彼女」と遭遇したときに「彼女」が持ってたのが、なんちゃらかんちゃらとか言う、横文字小説。
ふ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん。
寒い。今だに舶来文化崇拝主義ですか。
そうそう。
いちいち表現が寒いのも特徴的だな〜、と思いました。
「彼女のそばかすがカシオペア座とおなじ並びだった」とか、
「素敵な眉の顰め方、知ってるのね」とか、
「私って宿命的に絵描きに弱いのかしら」とか、挙げればキリがない。
そんな極寒表現を目にするたびに、思わず、付箋貼っちゃおうかと思ったんですけど、そんな労力を費やすことが勿体ないのでやめました。
最終的に納得がいかないのは、結局、なんだかんだ言って、散々若い男とやりたい放題おやりになった彼女がおっ死んじまうってことですよ。
死にオチかよ〜〜〜〜!!信じられないくらいベタベタ。
そんなのありか?
いや、別に私としては、「彼女」が死のうが生きようが、全然構わないんですけどね。でも、
死→永遠の美しい思い出
ってことは、結局、女はキレイじゃなきゃ価値がないってことでしょ?
古っ!!ていうか、モノカキとして、ラクしすぎ!!
死にオチ、夢オチなら、そこら辺の中学生だって書けるんだよね〜。ま、それを男じゃなくて女である村山由佳が恥ずかしげもなく書いてるっていうところが、斬新といっちゃ斬新?
今現在、女の平均年齢って一体いくつだと思ってるんでしょうか?どんなに美人だって、ナイスな肉体の持ち主だって、老ければそれなりに汚くなるわけですよ。
それでも、年の差を超えて「ボク」は「彼女」を愛し抜けることが可能なのか?
それとも、やっぱり「彼女」がそれなりの年になったら「ボク」はどこぞの若い女と583回目くらいの「運命的な出会い」を果たして「彼女」を捨てるのか。
年の差カップルを題材にしたら、そこまで書かなくちゃ卑怯なんじゃないのかな〜。
ちなみに、死体はドライアイスを当てる前までは触っても「手を引っ込めたくなるほど冷たい」なんてことはございません。
病院にいて、お迎えが来る前の時点だったら、生きてる人ほどではないけど、それなりに体温は残ってるし、指も動きはしないけど、よっぽど筋肉質でない限り、硬直までは行かないものなんですよね〜。
ま、そんな生きていく上で大して必要ない知識が入ってるだけに、余計に読んでて気持ちが冷めちゃったんだろうね〜、私。
損な性分ですね〜。
そして、何より納得がいかなかったのが、「ボク」が「彼女」と出会う前に付き合ってた「彼女」の妹と「ボク」の間には、肉体関係がなかったってこと。
え〜〜〜〜!?今時なんもやってないの!?
じゃあ、妹だって彼女面できないでしょう。
だって、「1回やったからって彼女面するな」っていう台詞がまかり通る時代ですよ?
「ボク」だって、堂々と「やってもないのに彼女面するな」ってビシっと言っちゃったって、誰も怒らないって。
その妹だって、手も出してこない上に自分の姉と浮気した、どーしようもないモラトリアム男なんかさっさと見限って、合コンサークルで青春を謳歌しろよ〜!!
そもそも、「彼女」の名前が「春妃」で、妹の名前が「夏姫」って言う時点で(それにしても、センスない名前だよ・・・)、何らかの血縁関係を連想しないもんかね〜?
とんだボンクラですね。「ボク」ちゃんは。
そんなわけで、感想を一言で言えば、
「女はキレイじゃないと恋も始まらないんだな」
以上!
はは〜ん、道理で私のこれまでの人生、「運命的な出会い」(笑)も、「恋焦がれ」られることもなかったわけだ。
納得。
しかもね、その「彼女」つーのが、「華奢」で、「守ってやりたい」系で、触れた手は冷たいので「暖めてやりたい」系なんですわ。
ひ〜!いずれも私にとってはNGワード!
ガッチリ系の私は男の庇護欲をそそる度0%な上に、めちゃくちゃ血流が良いので、手先も冷たくならないんですよね〜。
よく、「手の冷たい人間は心が温かい」って言いますけど、
その真逆。
あはは〜(乾いた笑い)
というわけで、今までグダグダ言っていたのも、早い話が美しくない女の僻みだということが分かりましたね!
見目が麗しくないと、心まで美しくなくなるんですよ。だから、どんな女の子も「カワイイね〜」といって育ててあげないといけません。
できることなら、私もこんな毒にも薬にもならない小説で涙を流せるくらい純朴に育ちたかったよ。
あれ?何の話だっけ?
そうそう。「天使の卵」。
以上、美しくないなんちゃってOLがいくら難癖つけたところで、このスバラシイ小説が「すばる文学大賞」を取ったという事実は揺るがないんですけどね。
そもそも、私がツッコんだ部分、全て計算づくで「ププ〜!ベタベタ〜!」とか、ほくそえみながら書いてたとしたら、たいした女です。村山由佳は。
な〜んて感想を、この本を「読め」と言った張本人に言うわけにも行かず、感想を聞かれたら、一体なんとお答えしたらいいものか、かなり悩んでおります。
憎い女だよ。村山由佳。
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